なぜ、糖尿病になるのだろう?
体質的にインスリンを分泌できない「Ⅰ型糖尿病」を除けば、糖尿病の原因は第一に過食です。
試しに、ある1日だけ限界といえるほどの過食をしてみると、尿の中に糖や蛋白が出てきます。通常なら、この成分は尿の中にみられませんが、あまりにも摂取量が多くなると、これらの血液中の濃度を一定に保つため、私たちの体は懸命に排泄します。
翌日には過食をやめ、元通りの適度な食事量を維持すれば、体は何事も無かったように元に戻ります。これを一過性の「食事性糖尿」および「食事性蛋白尿」といいます。
しかし、こうしたことをある1日だけでなく、たびたび繰り返したとしたらどうでしょう?
尿で排泄しきれない糖を、最初は「グリコーゲン」という保存型に変化させて肝臓等に蓄えますが、それでも間に合わないと、血液中に一定以上の糖がいつも溢れ出ることになります。これが「血糖値が高い」という状態です。
もちろん、そうなる前に膵臓はインスリンをたくさん分泌し、糖を細胞内に取り込んでエネルギーに変えようとします。ところが次から次に糖がつぎ込まれると、膵臓はインスリンを出しても出しても間にあわず、ついに膵臓は疲れきってしまいます。
細胞のほうも、いつも周りに多くの糖とインスリンがあるので感受性が鈍くなり、インスリンがあっても反応しにくく、細胞内に糖を取り込むことを怠りがちになるのです。
糖尿病と診断されるほどの血糖値は、すでにこのように体の各所が最大限の努力をし、徐々に変化が起こった末の現象なのです。
では、適度な食事量とはどのくらいの量でしょう。それは、基本的には消費するエネルギー量に見合った食事量です。
運動や肉体労働でエネルギーの消費量が多い人は、デスクワークの人よりも食事量は多く必要でしょう。
逆に、運動嫌いや足腰のトラブル等であまり体を動かさない人は、食事量は少ないはずです。
過食以外にも、寒冷やストレス、一部の疾患との関連性が挙げられますが、Ⅱ型糖尿病のほとんどの原因は「過食」といって間違いありません。
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